はじめに考えて下さい
交通量はそんなに多くはないものの、道路の真ん中に立ち続ける人がます。しばらくは大丈夫でしたが、やがて車に跳ねられて大怪我をしました。
一度大怪我をして散々泣いたのに、怪我が治ったらまた道の真ん中に立ち、聞くと「今度は動きやすい服を着てきたから車を避けられる」とか言っています。
しかしやがて再び大怪我をしました、しかしその怪我が治ったらまたまた道の真ん中に立ち、聞くと「今度はヘルメットも被ってきた」とか言います。
では次。
ある男が、ある場所に家を建てて住みつきました。
やがて洪水が起き、家は流され家畜を喪い、男は嘆き悲しみました。
しかし男は、再び同じ場所に家を建て、そこに住み続けます、少し基礎を高くしたそうです。
やがてまた洪水に襲われ、今度は家と妻を喪い、また嘆き悲しみます。
男は懲りもせず、三度同じ場所に、今度は高床式の家を建ててそこに住み続けました、しかしやがてまた洪水に襲われ、家と子供を喪い、また嘆き悲しみます。
どうでしょうか?
この2つの話ですが、本質的にはほとんど同じです、「一度痛い目に遭ったのなら、同じことは繰り返さない方がいい」というだけの話です。
もう少し踏み込むなら、「そんな場所にいるのはやめた方がいい」という、やはり幼稚園児でも判るような話です。
前者でしたら、多くの人は素直に「バカじゃないか?」「自業自得だ」と言うでしょう。
でも2つ目は、愚かだとは思っても、何となく簡単に「バカじゃないか?」とは言ってはいけない気がしてしまう人が多いんじゃないかと思います。
お判りだと思いますが、2つ目の話ですが、日本の平野のかなりの部分に当て嵌まります。
「洪水」を「地震による津波」に替えると、多くの海沿いの街に当て嵌まります。
「土砂災害」に替えると、多くの山際の土地に当て嵌まります。
2つ目の話に、素直に「バカじゃないか?」と言えないのは、実は多くの人が「仕方がない」「先祖代々の土地だから」とか理由を付けつつも、自分も同じようなことをしている自覚がうっすらとでもあって、それを素直に「愚かだ」と認めたくないから、またはそう言ってしまうと、周囲にそうしている人があまりにも多く、角が立つから、ですよね?
なぜかは知りませんが日本人は、よくよく考えれば多少無謀であっても、土地に執着することに関しては意味不明に寛容なんですよね。
国土が狭く平地が少ないからとか色々な理由はあるんでしょうけど、非常におかしな、非合理的な性質です。
でもですね、そろそろ一度よーく考えてみませんか? 正直に書きますと、私はそうした行動をする人達の考えが理解できません。