基本的な科学知識を持とう

火山災害については、地震と違って、火山の位置がはっきりしている点はわかり易いように思うかもしれませんが、どうも日本人の多くは、最悪の火山災害の被害規模を理解できていないと思います。

南海トラフ地震が大規模レベルで起こると、地震と津波で死者数が32万人以上に達すると試算されています。
32万人。
東日本大震災での死者数は2万人以下だったので、とんでもない数だと思うかもしれません。

しかし、仮に阿蘇山が過去に起こしたレベルの噴火をした場合の想定死者数はご存じですか?
1億2000万人です。
日本の人口は現在1億2200万人ちょっとですので、ほぼ全滅、確実に国家消滅です。

大規模な噴火への備えを考える場合、日本国内には安全圏など無いのです、諦めた方がいいでしょう。
敢えて言うなら、当然そんな火山からはなるべく離れておいて、且つ、いざという時にはすぐに海外に脱出できるよう、国際空港に近い場所、くらいしか言えません。

しかし、そんな巨大噴火はそう滅多に起こることでもない(はず)ですし、地震に比べるとわかり易い前兆がある場合が多いので、火山の近くに住まないようにすればいいでしょう。

例えば、よく語られる富士山の噴火ですが、富士山は非常にチンケな火山であり、大爆発しても知れています、単に大都市が近いので、その影響や被害が騒がれるだけです、つまり単に距離の問題です。
都市部への影響を云々する防災関連の方はともかく、火山学者で富士山なんぞに強い興味を持っている人なんて、実は大していないだろうと思います、どうにも色々とスケールが小さ過ぎますから。

とにかく、富士山程度の噴火は、噴火時の風向きにもよりますが、国内でも少し離れていればほぼ大丈夫です。
近くに住んでいる方は、噴火したらそれなりに大変な目に遭うと思いますので、早めに引っ越すべきだと思います、火山災害からは避難以外に方法はありません。

対して、阿蘇をはじめとした九州界隈のカルデラ火山の大規模噴火は、国内のどこにいたとしても、遠からず死ぬか、生き残ってもこれまでの生活が崩壊する位の影響を受けますので、海外へ脱出する以外に現実的な対処法はありません。

次:多少の便利さよりも安全を

CopyRight 2024 © hatchet.jp
文章・画像の無断転載を禁じます