なるべく安全な場所に住もう
定期的に災害に遭い、その度に大きな被害に遭って嘆き悲しむような生き方は、誰であっても避けたいはずです。 自然災害というものは、大規模なものほど長いスパンで発生しますので、うまくすれば自分の代は遭わずに済むかもしれませんが、子の代、孫の代まで考えると、住む場所はよくよく考えたいものです。 しかし地球物理学的な見地から考えて、日本という場所では、完全に災害から逃れることは出来ないと思います。プレート境界に日本列島があることによる海溝型地震に加え、多数の火山、台風。
正直、大雨・大雪・台風等の気象的な災害への対処は比較的簡単です。
雪の積もらない地域の、洪水や地滑り、崖崩れ等の危険の少ない場所に、丈夫な家を建てれば概ね解決します。
多少順番は前後しますが、津波対策も簡単です、津波の心配の無い場所を選べばいいだけですから。
問題は地震と火山ですが、まず地震から考えましょう。
要点は、
- なるべく大きな地震の想定されていない、津波や崖崩れ等の間接的被害を受けにくい場所に住む
- 住居等の耐震性を高める
建物の耐震性については基本的に専門家に任せるとして、問題は「被害を受けにくい場所」というものです。
以下は、2024年元日夕方に起こった、能登半島地震の震度分布図です。
これを見ると、基本的に単純に震源から近い場所の震度が大きいのは当然としても、多少距離があっても海岸近くや平野部の震度は大きく、逆に多少震源に近くても内陸部の震度は小さいことが一目瞭然です。
多少距離が遠くても海岸沿いは揺れていますし、逆に多少近くても山間部はさほど揺れていません。
非常に大雑把な書き方をしますと、堆積物によって構成されている平野部は地盤が軟弱なため、揺れが大きくなります。
つまり川の河口部や海岸近くの平地に立地する都市部は、軒並み地震に弱いわけです、そして大都市はほぼ例外無く、大河川の河口部の堆積平野に立地しています。
そして同じ都市でも、海近くの低地と高台とでは、地下構造の違いにより、震度にして2くらいの差は平気で出てきます。
私が言いたいことをはっきり書くと、
- 大きな被害が予測されているような地域は避けた方がいい。基本的に都市部は地震に弱いので避けるべき。
- 揺れにくい場所を選び、その上で間接的被害の及ばない立地を選択する。海の近くは当然避ける。
- 地震に強い建物にする。隣家とある程度離れた、庭のある平屋が最善。高層マンション等は被災後は生活が困難になる。
- 更にその上で、必要な備えはしておく。可能であれば庭に井戸を。
地震の予知なんてものは、現在の科学では夢のまた夢です。
ある程度予測できているものもありますが、それも日本列島の立地と人間の歴史の短さなどから、頻度の高いものに限定されます。
東海地震やら南海トラフやらは、発生周期が短く、歴史上に何度も記録されているから把握・警戒できるわけであって、発生周期が1000年とか2000年、5000年とかだった場合は、歴史に何の記録も無いでしょう。
自然のスケールの中では、10万年や20万年でさえ誤差レベルです、そこは覚えておいて下さい。