火山噴火(小)に備える

ここでは普通レベルの火山噴火について述べます。
普通レベルとは、富士山の宝永噴火(1707年)や桜島の大正噴火(1913年)程度までの、そんなに大きくはない噴火とします。 なお「そんなに大きくはない」とは書きましたが、周辺環境への影響は地震の比ではなく甚大です、なお震度6や7の地震なんて噴火のオマケに度々ついてきます。。

よく語られる富士山の噴火ですが、実は富士山の噴火スタイルは火山の中でもかなりチンケなそれであり、噴火しても知れています、チンケだからこそ綺麗な形の山を保てているのです。
これがパワー?のある噴火ですと、山の形が大きく変わったり、場合によっては山が根っこの更に下から吹き飛んで、抉れてクレーター状(つまりカルデラ)になったりします、どちらが火山として恐ろしいか判るでしょう。

富士山は、単に大都市が近いので影響や被害が騒がれるだけでして、つまり単に距離や周辺人口の問題でしかありません。
都市部への影響を云々する防災関連の方はともかく、火山学者で富士山なんぞに強い興味を持っている人なんて実は大していないのではないか思います、スケールが小さ過ぎてロマンが感じられませんから。

とにかく、富士山程度の噴火は、噴火時の風向きにもよりますが、国内でも少し離れていればほぼ大丈夫です。
ただ近くに住んでいる方は、噴火したらそれなりに大変な目に遭うと思いますので、早めに引っ越すべきだと思います、火山災害からは避難以外に方法はありません。

参考までに、火山のパワー?を載せておきます、パワーというのは噴出物の体積です。

お名前噴出物(km3)発生年他
富士山1宝永大噴火(1707年):実際には0.7程度
北海道駒ヶ岳31640年:富士山型だった山の上半分が山体崩壊
有珠山3洞爺湖(洞爺カルデラ)の側火山
樽前山4支笏湖(支笏カルデラ)の側火山
浅間山4天明の大噴火(1783年):ラキ火山噴火による飢饉発生が確定した後に起こっており、天明の大飢饉の直接原因ではないが、手痛い追い打ちではあった
九重山5約1600年前
燧ヶ岳7約8000年前:山体崩壊を起こして尾瀬沼を形成
ピナツボ101991年
冷夏で日本でも米が不作になり、米を輸入する騒ぎに
桜島12大正大噴火(1914年):姶良カルデラの側火山
箱根山14約5万2000年前:横浜まで火砕流に飲み込まれた
摩周湖19約7000年前
大雪山20約3万年前
クラカタウ201883年
十和田湖56約1万5千年前:青森県の大半を火砕流が焼き尽くす
阿多南カルデラ100約24万年前:鹿児島の錦江湾の入り口をクリエイトその1
加久藤100約34万年前:この後に霧島火山群ができて噴火が続き、更に周辺の巨大火山(阿蘇・姶良・阿多他)が何度も噴火し、地形が変わってしまい当初の規模がよくわからないが、最低でも100以上、数倍の可能性も
屈斜路湖150約12万年前:日本最大のカルデラを形成
タンボラ1501815年:有史以来では最大の火山噴火、世界の気温が10年間低下する
洞爺湖(有珠山の本体)170約10.6-10.9万年前
鬼界カルデラ170約7300年前:九州南部の縄文文化が消滅、関西でも20センチ超の降灰
マザマ山176約7700年前:現在のクレーター・レイク(オレゴン州)を形成
支笏湖(樽前山の本体)225約44000年前:火砕流が札幌を飲み込んで日本海に到達
イエローストーン2280約130万年前
阿多北カルデラ300約10万5千年前:鹿児島の錦江湾の入り口をクリエイトその2
姶良カルデラ450約3万年前:鹿児島の錦江湾をクリエイト
阿蘇カルデラ600約9万年前:火砕流が九州の4分の3と山口県を焼き尽くす
イエローストーン31000約64万年前
タウポ湖1170約25700年前
イエローストーン12450約210万年前
トバ・カルデラ2800約75000年前
ここ10万年で最大の噴火

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